こんにちは。らむねです。
思春期に、両親や教師には相談できない話を聞いてくれる大人がいたら、
その大人は大切な存在かもしれません。
しかし、その大人が言葉巧みに子どもの心を誘導していたとしたら……。
今回は、「親切な大人」に騙されそうになった少女のお話です。
誰よりも分かってくれる「あの人」は、本当に味方なの? 中高生を狙う「理解ある大人」の正体は!?
杉浦聖子さん(43歳)の娘・紅羽さん(15歳)は、今年受験を控えた中学3年生。
勉強嫌いな紅羽さんは「これ以上勉強はしたくない」と、全日制の普通高校への進学は望まずに、
「試験なしで入れる通信制の高校」の受験を希望しています。
紅羽さんは「受験も楽だし、毎日学校で勉強しなくてもいいなんて最高!」と、
自分のなかで通信制の高校へ行くことを決めていましたが、
聖子さんとしては、全日制の普通高校への進学をして欲しく、
その話になるといつも親子げんかになっていました。
紅羽さんは、おしゃれとアイドルが大好きな普通の中学生でした。
時々、友達関係で悩むこともありましたが、ひどいいじめをされることもなく、
仲の良い友達と一緒に入った部活もそれなりに楽しんでいるようでした。
決して学校が嫌いなわけではない紅羽さんが、どうして通信の高校へ行きたがるのか理解が出来ず、
聖子さんはどうにかして全日制の高校へ通って欲しいと思っていました。
それは、進学や就職のためでもありましたが、紅羽さんならきっと楽しい「高校生活」が送れると
信じていたからでした。
娘の本当の気持ちを聞き出して
紅羽さんは担任の先生からも「全日制高校への進学、もう一度考えてみたら」と言われていました。
しかし、紅羽さんは「通信の高校もたまには学校に行くみたいだし」と、
頑なに耳を傾けようとはしませんでした。
ある日、聖子さんが紅羽さんと2人で車に乗っているときに
「どうしてそんなに、通信の高校に行きたいの?やりたいことがあるの?」と、静かに聞いてみました。
すると紅羽さんは
「うん。勉強好きじゃないし、中学の友達だけいれば充分だし、
みんな頭いいから、私だけ学区内のバカな高校だと恥ずかしいし」と、話してくれたのです。
聖子さんは、そこで初めて紅羽さんが「友達とレベルの違う学区内の高校へ行く」ことへの
恥ずかしさを持っていることを知りました。
聖子さんは紅羽さんの気持ちに気が付き、ある提案をすることに。
その提案とは? そしてその提案を聞いた紅羽さんはどうする?
(2019.04.16)